「いいのか学校英語」というコラムが朝日新聞に全10回掲載されました。子どものうちからの英語学習方法を、いろんな人から学ぶための内容です。とてもよい内容だったので要点をまとめてお伝えしたいと思います。

第6回目は、韓国語も堪能な日米教育委員会事務局長、デビッド・H・サターホワイト氏のコメントです。





<今回の語り手の名前と職業>
日本在住通算40年、日米間の教育などを目的とした組織に勤務
デビッド・H・サターホワイト氏


<日本と韓国との違い>
「韓国には何回も訪れ、行くたびに英語力を高めようというスピリットが韓国全体に満ちているのを感じます。
日本で来年度から小学5・6年で外国語活動が必修になりますが、韓国では97年度から英語が必修になっています。早いうちに留学する生徒も多い。」

「韓国が英語に熱心なのは、入学する大学によって就職先が決まると言われる学歴主義も背景にあるでしょう。
でも同時に“使えるようになろう”というスピリットが日本よりも強い。日本語と韓国語は語順が同じなので、似ている単語もあり、英語を学ぶ条件は日韓で変わらないと思います。それなのに、学校で勉強しても実際には英語を使えない日本人が多いのは、そうしたスピリットが足らないからではないでしょうか。

<小学生の英語必修化について>
「もっと低学年でもいい。子どもは吸収が早い反面、忘れるのも早いので授業は週1コマでは少ないのではないでしょうか。短い時間でもいいので毎日あるのが理想です。

<効果的な英会話学習法とは>
「語学の勉強は、単語をおぼえ、文法を学び、会話を繰り返す、が三本柱です。学校でもこの基本を押さえつつ、会話の時間をもっと増やすべきでしょう。
本当に使えるようになるためには、どんどん口に出さなければ決して上達はしません。間違ったら指摘してあげればいいのです。」
(2010年8月20日(金)の朝日新聞コラム“いいのか学生英語”から一部抜粋しました)




今回の英語学習方法のまとめ (by 管理人)

日本からの留学希望者数は毎年少しずつ減っています。
具体的なデータは、日本では1997年(バブル期)4万7千人がピークで、2009年は3万人に。アジアからの留学生をみてみると、中国は約10万人、韓国では7万人を超えているのだとか。

今回のコラムではサターホワイト氏は日本と韓国を比較したコメントをしていました。お隣どうしであり、文化的にも似ているからでしょうね。
確かに韓国と比べると、日本は「国をあげて英語を学ぶことを応援している!」というスタンスではありません。

確かに「英会話をものにする」という意味では韓国と比べて日本は遅れています。ですがそれは小学生のうちは日本語や日本文化をしっかりと学ぶことを優先してあげたい、という日本政府の気持ちでもあるわけです。

仮に小学1年生から英語の授業を毎日取り入れれば、英会話は上手くなるでしょう。ですがそのぶん、何かの科目の授業が減らされてしまうことになります。それを「良し」とするのか「悪し」とするのかは、判断がわかれるところです。

管理人である私の個人的な意見を言わせてもらえば、
「他の教科をしっかり学校で学ぶ。(英語必修化以上の)より深い英語力を求めるのなら家庭の判断で、英会話スクールなどに個別に通わせればいい」というスタンスです。

それは英会話ができても「自分の意見」「日本がどんな国かを世界に伝えたい」「基本的な教養」といった“気持ちの核”がなければ、子どもたちは積極的に外国人と話したい!とは思わないのではないでしょうか。