公立小学校で2011年からスタートした英語の外国語活動。すでに前倒しでスタートさせている小学校が全国で98%にのぼっています。




その小学生たちに教育のベネッセ社がアンケートをとったところ、7割以上の子供が「楽しかった」という感想を抱いています。苦手意識を持っている子供はほとんどいない、という状況がうかがえます。

全国の小学生対象 「英語が好きですか? 嫌いですか?」アンケート
 ・楽しかった・・・・・・70.7%
 ・英語に興味をもった・・・・・・41.8%
 ・もっと早くから学校で英語を習いたかった・・・・・・36.5%

一方、同じくベネッセ社が中学生に同じくアンケートをとったところ、
今度は6割の中学生が「苦手(とても苦手+やや苦手)」と答えています。

全国の中学2年生対象 「英語が好きですか? 嫌いですか?」アンケート
 ・とても得意・・・・・・8.0%
 ・やや得意・・・・・・29.5%
 ・やや苦手・・・・・・32.5%
 ・とても苦手・・・・・・29.3%

これはどういうことでしょうか?

小学生が中学生に上がって1年が経過したとたんにほとんどの子供たちが、
“英語が楽しい ⇒ 楽しくない”へと変化しているということなのです。




その理由として3つのことが考えられます

<英語ギライになる理由・その1> 遊びから授業へと変わった。
小学校の外国語活動にはテストはありません。通信簿にもつきません(2011年現在)。できてもできなくても、先生やネイティブ講師から「よくできたね」「Good job!」とほめられるのです。まさに“楽しく参加できればそれでよし”というコンセプトの授業でしょう。
それが中学になったとたん「科目」して扱われて、しっかりテストがあります。授業中には正しい答えだけを求められます。小学生のときに楽しんできたことと、まったく方向性が違うわけです。この辺りの気持ちの切り替えがきちんとできている子と、できていなかった子では、その後の取り組み方も大きく変わってくるでしょう。

<英語ギライになる理由・その2> 文法の難しさ
これは小学英語がスタートするまえからの、永遠の問題だとは思います。英語の文法は日本語にはないようなものもあり、なかなかなじめません。

特に「複数形になるか、ならないか?」 「主語によって動詞が変わる」「a と the の使い分け」などは、初歩的でありながら大人になっても間違うほど難しいものです。こういった問題がテストにでることが多いので、「テストでよい点がとれない⇒ 苦手! キライ!」ということへもつながっているはずです。

<英語ギライになる理由・その3> 英語文を書くのになれていない
これもテストでよい点がとれない理由のひとつではないでしょうか? 小学校の英語活動では筆記はほとんどありません。アルファベット24文字を書いたり、マルバツ問題をする程度です。
なかなか英文を目にするチャンスもないので、子供にしてみたら何が書いてあるのかも解りにくいでしょう。

※当記事は2009(平成21)年に全国の公立中学校の2年生を対象に実施したBenesse教育研究開発センターの調査「第1回中学校英語に関する基本調査」データを参考にしました。

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